地域包括ケアシステムというもの
2017.09.27
政府は2025年を目途に「地域包括ケアシステム」という構造を確立させようとしています。その理念は「高齢者が住み慣れた地域で最期まで自分らしく生きる」というものです。
住まいを中心に訪問介護や訪問看護を受けることで、身体に不自由が生じても自宅で生活することができますよ、というものです。
内閣府のアンケートによると高齢者の6割が「住み慣れた家で暮らし続けたい」という結果が出ています。ただ、推測に過ぎませんが、この「住み慣れた・・・」という項目を選んだ方は「(家族に迷惑をかけないのであれば)住み慣れた・・・」という前置きを入れているのではないでしょうか?
この地域包括ケアシステムの課題点は大きく言うと2つあります。1つは、このシステムの構築は国ではなく各自治体に任されているので、地域によって質が大きく異なるということ。まだ、働き手世代が多い都会ならまだしも、高齢化率が高く人口が少ない田舎ではどうなるのか?和歌山市も高齢化率は30%を超えているので、人事では済ませなくなってきます。2つ目は介護士が不足しているということ。2025年までに全国で253万人の介護士が必要だと言われていますが、2025年に予想される介護士の人数は215万人と38万人もの介護士が不足します。そのため訪問介護やデイサービスが円滑に回らないかもしれません。
これらの問題を抱えながらも、時は過ぎ「介護は自宅で」という風潮が強くなってきます。
問題は色々とありますが、嘆いてばかりではどうしようもありません。
最後まで自立していたいと願う人にとって、今からできることは健康に気をつけることです。食を意識し、ウォーキングなどの軽い運動を心がけ、いつまでも元気に。そうすることによって本当の意味で「住み慣れた家で暮らし続けたい」という願いが叶うのではないでしょうか。