紀伊松風苑は、昭和41年11月に特別養護老人ホームを開設し、50周年を迎えた和歌山市で最も歴史のある社会福祉法人。以来、ショートステイやデイサービス、地域包括支援センター、グループホームなど、さまざまな事業を展開し、歴史は長いものの、常にその時代の業界の先頭を走っています。

寝たきりの高齢者、そして介護をする家族に幸せを感じてもらうよう、家族に代わって利用者が安らかに楽しく老後を過ごすことができるようにすることが理念。紀伊松風苑は常に利用者、そして家族の目線で介護をすることで業界の常識を覆してきました。
例えば、昔は「介護は女性の仕事」という風潮だったのを、現場での力仕事の多さ、さらに利用者の要望などを汲み取り、男性スタッフをどこよりも早く配備。今でこそ介護職は男性も多いものの、当時は画期的な取り組みでした。

さらに、食事についても、軽費が掛かっても常駐スタッフを雇い、個人個人の好みに合ったものをきめ細かく管理し、「自らの口から食べてもらえる」よう、心掛けています。これには、利用者に嫌いなものを無理に食べさせることで食が離れてしまい、元気がなくなっていくことを防ぐ意味が込められています。

地域への恩返しお食事会大好評
日頃お世話になっている地域への恩返しも忘れず、ほぼ毎月、有功地区の独り暮らしのお年寄りを施設に招待し、お食事会を開催。ことし5月には300回を迎える予定です。
シェフさながらの制服をまとった調理担当スタッフが腕を振るってクッキング。おしゃれなレストランのような献立表も看板にして飾られ、毎回100人ほどのお年寄りが集まるなど大好評です。

理念の通り、常にお年寄りの目線で、力を注ぐところには惜しみなく努力。年3回は広報誌「しょうふう」も発行し、古き良きものは継承しつつ、改革も進めていく。そんな姿勢で地域と共に歩み続けています。