今福いきいきデイサービス
国道42号線を堀止あたりで西に向かって曲がると、昔ながらの住宅が立ち並ぶ今福エリアがある。その住宅街の一角にあるのが、2階建ての戸建てを利用した「今福いきいきデイサービス」だ。施設に隣接して老舗の銭湯「今福湯」があり、風情ある雰囲気だ。通所介護施設としてオープンしたのは平成19年。毎日10人の利用者に介護福祉士の資格を持った5人のスタッフが付き、手も心も行き届いたサービスの提供を10年間変わらず続けている。
取材に訪れたのは冬の寒い日だったが、室内はとても暖かく心地よく、私たちが驚くほどだった。床暖房が備えられているほか、浴室や脱衣室にも暖房が完備されており、温度管理にとても気を配っている施設だと感じられた。大保幸代施設長から施設紹介を聞いている時も「あたたかい」との言葉を多く聞くことができた。"あたたかい"食事、"あたたかい"部屋、"あたたかい"気持ち。施設のコンセプトである「一人ひとりに心を込めた、家庭的なおもてなし」が隅々まで行き届いている。
「特別なことをするのではなく、皆さんを見守りながら気持ちを明るく持ってもらえるようにするのがこの施設のやり方。認知症があっても、気持ちいい・楽しいという感情は忘れないものだから、心のケアをするのはとても大切」と笑顔で話す大保さん。日々の献立も食べ飽きない家庭的なメニューを、できたて・炊きたてで、瀬戸物の器にこだわって提供している。利用者も手伝い、皆で調理や配膳をする。「できることは自分でやるのがリハビリ。タオルを畳んだり豆をむいたり。運動になるだけでなく、今までやってきたことをして、自分が周囲から必要とされていると感じてもらいたい」。利用者は役割を持って、できることをそれぞれに手伝っている。それによって「元気でいなければ」と感じ、気がしっかりしてくるのだという。
レクリエーションは「ボディセラピー」や「音活クラブ」など外部から指導者を呼んで全員行うものと、プリントを使った頭の体操やものづくり、歌のDVDを鑑賞するなど個別に行うものがある。「ボディセラピー」はエステティシャンがマッサージなどを施すもので、スタッフも利用者も少しの金額負担で受けることができる。「音活クラブ」は介護福祉士の資格を持つ音楽療法士、二階喜美子さんが考えた音楽療法で、音楽を使って心と体を元気にしていこうというもの。季節に合わせた曲や懐かしい曲を聴いたり演奏したりすると、心身の健康が回復する効果も。日々のレクリエーションにプラスして、このようなプログラムがあることで活性化されて、「施設の中に笑顔が増えてくる」と大保さん。
利用者へのおもてなしの心が徹底されており、とても笑顔と活気に溢れた施設だった。帰り際の私たちに向けて、開所から通い続けているという女性が「こんないいところないで。ここに通いだしたら皆元気になる。毎日仲良く輪になってな。ええところや」と笑いかけてくれた。施設名に込められた「いきいき」という思いが形になっているデイサービスだと感じた。
施設情報
住所 | 和歌山市今福3丁目5-10 |
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電話番号 | 073-425-8008 |