ぶらくり丁商店街に隣接し、多くの人で賑わう場所にある「BLISSぶらくり」。まちなかにあるため利便性は抜群だ。家族も会いに行きやすく、利用者からもアクセスが良い施設として評判が高く、平成21年のオープン当初から根強い人気を誇っている。施設内には介護付有料老人ホームのほか、通所デイサービス、介護相談窓口も併設。充実した利用環境を提供している。

ぶらくり丁のアーケードを歩いていると、立派な人力車が目立つ場所がある。そこが「まちなかで元気に暮らす。笑顔と共に」をコンセプトに掲げる施設、BLISSぶらくりだ。人力車があるのは職員のアイデアで、街の中に人力車があったら面白そうとの遊び心が発端だそうだ。介護のレクリエーションに使っているだけでなく、一般の人も利用可能（要予約）。乗ったり記念撮影をしたりすることができる。

そのようにユニークな取組みも行う同施設だが、いちばん力を注いでいるのは毎日「楽しめる食事」を利用者に提供することだ。取材に訪れた日は、屋台風に飾られた鉄板を皆で囲んでの昼食だった。メニューはお好み焼き。香ばしい匂いが施設内を漂い、私たちも食欲をそそられた。「元気になるには、まず食べなければね」と笑うのは施設長の堀田昌治さん。「お好み焼きも目の前で焼けば、匂いも音も温度も感じられる。それが食べたいという意欲になり、これからの元気につながると思うから、形にしばられることなく工夫を凝らして提供していきたい」と食事にこだわる理由について話してくれた。

また、「介護している施設は皆が仲間」との考えから、利用者のためになることなら何でも共有しようと率先して動いている。同施設が生んだ「やわめし」の技術やレシピの共有が代表的だ。特殊な技術を使う「やわめし」は、肉や魚など食材の見た目は通常食と変わらないものの、食べると溶けるように柔らかい。ステーキは通常の硬さを100%とすると、「やわめし」は9%。つまり91%も食材の硬さが緩和されているのだ。これでミキサー食や刻み食の利用を先延ばしにできる。今までと同じものを、同じように口に運ぶ喜び。これが元気につながるのだという。この作り方が知りたい事業者には共有するとのことなので、気になる方は問い合わせてみるとよいだろう。